バンドマンの彼氏に貢いで捨てられて死んだ女の生まれ変わり

娯楽についての置き場です。カードゲーム(遊戯王)とは分けました。

【映画】実写版「デビルマン」を見ました。

お久しぶりでございます。

まぁ、相変わらずTwitterにはものすごい頻度でいるんですが、ブログを書くのは久しぶりなので、お久しぶりということで。

今日の記事は直近の記事までだと多かったポケモンファイアーエムブレム遊戯王やアニメのことから少し離れて、実写版デビルマンという映画を見たことについて、になります。

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↑レンタル用のDVDディスクの外観です。

このただのディスクの中に、問題のアレが………………


さて、このデビルマンという映画についてですが…

(概要もこちらに記載されているので自分からの紹介は控えさせていただきます)

基本的に内容についてけなしたりすることのないWikipediaにも
「評価とその背景」という項目があることや、
その中で「『デビルマン』は特別に評価が低く、多くの酷評が寄せられた」と書かれるなど、よもや伝説的な駄作と言って過言ではない、そんな映画となっております。

デビルマンの評価でも特に有名なものがこれかと思われます。
↑公開された年に書かれたブログで、何がこの映画を低評価たらしめているかわかりやすくまとまっています。

…とここまで引用を多用しましたが、さすがにそろそろ14周年…周忌…?を迎えるこの作品に関する酷評や、酷すぎてむしろ見ておくべきといった声は枚挙に暇がないほどあるので、これから自分が述べようとしている感想や評価も実は調べればふつうに出てきます。

でもやっぱり、見たからにはレビューっぽいことをしておきたいよねということで、こうして記事に起こしているわけです。
多分、実写版デビルマンには人間ひとりの中に留めておくには強すぎるそういう何か…何かがあるんですよ。


では、長い前振りでしたが、感想を述べていきたいと思います。
…見終わって最初に出てきた言葉は「これは何?」でした。

見る前から散々駄作であるということを聞かされていた上、引用したような評価にある程度目を通していたにも関わらず、見終わって最初に「これは何?」と言っていたんです。
とんでもないことです。わかっていて駄作に触れたのに、思いっきり突き離されたような、そんな気分でした。


見終わった感想としては何だったんだ…というところでしたが、もはや映画と呼ぶことすら憚られる、単なる映像なんだという思いで見ることになっていた本編中、ある特徴に気が付きました。

時々画面が赤くなるんです。

…そう、時々画面が赤くなる。それだけなんですが、映像が垂れ流され続けているだけの時間が流れているような感覚の中、これは確かな特徴になり得るのではないかと思います。

映像効果として赤くなったり、赤い光で赤くなったり、赤い光だけを使用したシーンがあったり、空が真っ赤になったり、とにかく時々、画面に赤い色が差し込まれます。

この時々画面が赤くなるということが自分にとってはかなり印象的でした。
「時々画面が赤くなる映像」としばらく言っていたくらいです。

まとめると「時々画面が赤くなる映像」を見て「これは何?」となった、というのが実写版デビルマンの感想ということになります。


先に感想を述べましたが、そろそろ本編について触れたいと思います。
とはいえ有名な…?悪名高い?シーンを挙げるのはやり尽くされているはずなので、あまり取り沙汰されていなさそうなところについて突っ込んでいきます。

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↑いざ再生!という画面。

既に若干禍々しいですね。邪気がある。


本編についてはともかく、メニュー画面ってあまり触れられないなーと思って。特に必要もないんですが…


なかなかに覚悟がいる、そんなメニュー画面でした。

(実は最初に見たあと色々あって2回も見直した(3回見た)ので、2回目以降は鼻で笑うくらいのことしかできませんでした)


そして実際に再生すると…なんと言いますか…出鼻からんんっ?となるような映像が飛び込んできます。


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↑開始即ホームビデオ並の画質の映像からのB級コメディ映画並の小物の登場です。

ある意味この時点で既に映画と言うよりは映像でした。


どうコメントすればいいのやら…?


そんなこんなあって子ども時代の回想も終了、主人公の不動明がどうして牧村家に匿われることになったのかなどの説明をさらっとナレーションで済ませ、舞台は学校へ。ショッピングモールも出てきます。


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↑明の親友、飛鳥了はなんと高校生にして車を自分で運転し学校から帰ります。


いや、十分突っ込みどころなんですよ。了が車で帰るところも。

なぜ役どころは高校生なのにちゃんと運転させちゃうんだとか。まぁあるんです。


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↑VR装置から突如現れるVR博士。


察しもつくと思いますがこの博士、ここしか出番がないです。

この人のいる研究所?みたいなところがまぁまぁ危険な状態にあることを伝えるのですが、実際まぁまぁ危険な状態だしなぜそんな状況になったのかみたいなまぁまぁ大事そうな説明もしてくれるんですが、それがこの映画の中で活かされるシーンは特にないんですよね…


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↑VR装置を装着する明がカメラに抜かれます。


いや…シュールの一言。


さて、ここで一旦了の車の画像に戻ります。


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了が車で帰宅するシーンでもありVR装置を手渡すシーンでもあるのですが、この装置なんと、運転席の後ろにゴトッと置いてあるんですよね。

なんで?みたいな…気になっちゃうじゃないですか…なんか。これはもう単に個人的な感想ですけど。


そんなこんなあって明はVR博士…なんか了のお父さんらしい?人の元へ。

そこで梅干しと化した、了曰く「親父だよぉ」と遭遇し、「なんだよこれぇ…」と棒だけど腰抜かしてる演技みたいなセリフ読みを見せる明。

(この了のお父さんが梅干しみたいなデーモンらしきものになっちゃったシーンで、画面が赤くなります。かなり赤い。)


さらに、この映像を見てしまったらどうしても頭に残ってしまう明の

「あー」がこのあたりで初登場します。

あー…ああー…あああー!みたいな。


ここから有名なシーン。

なんの前触れもなく、明が飛んでくる球状の物質を体内に取り込みます。

そして…

「あー。俺、デーモンになっちゃったよ。」

……………出ました、出ましたよ、これはでもある意味待ち望んでいたので、むしろ感動でした。


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↑(もちろん)了もデーモンになっています。


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↑そして「ハッピーバースデー、デビルマン!」へ…


このシーン、明は了がデーモンであるということをしっっっかり確認済みなんですよね。

でも…記憶を消されたとかの説明も特になく、終盤まで明はこのことをまるで知らないかのような素振りをし続けます。


明がデビルマンになった後の展開はそれはもうめちゃくちゃ単調です。

「滅びろ、デーモン!」

-この間でシレーヌか登場して決着が一切明かされずシレーヌ退場-

-この間でうしくんが明に助けを求める-

「滅びろ、ジンメン!」

「ほどびよ、デーモン!」(これは空耳)

-この間でミーコちゃんが初めてミーコちゃんと呼ばれ左腕をワナワナさせる-

-この間で明たちの通う学校でデーモン出現と騒動になり、警察が「生徒は一歩もそこから動かないでください」と警告した場面の1秒後の場面転換で生徒が校舎から避難する場面が映される-

-この間で小林幸子が登場する-

-この間で作中ミーコちゃんと並んで演技の上手い子役が登場し両親がデーモンになる-

-この間で日本政府は「デーモンは人の姿をした生命体である」と断定しデーモン特別法を制定するもそのナレーションが流れるシーンで思いっきり空を飛ぶデーモンの(ような生命体の)姿が映される-

…こんな感じです。


そしてデーモン特別法が制定された日本では…


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↑田んぼをガチダッシュ!本当に本気で走っているのが伺えるシーンでした。


なんと少しでも変な言動を取った人間を、告げ口によってデーモンと断定できてしまう恐ろしい治安が形成されました。

そのため、嫌いな人間をデーモンに仕立て上げることで田んぼをマジのダッシュさせた上でデーモン特別法により射殺することができるなど、どっちがデーモンなんだ…というようなことを行うことが可能になりました。


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↑デーモン容疑で捕まってしまったミーコちゃんと子ども(名前を忘れた)。


この表情ですよ。まるでデビルマンを見ている側であるかのような表情がたまりません。

でもこの2人はほんと…この映像の中だと突出して演技良いので…


そしてデーモン特捜隊?だっけ?みたいな人たちはついにデーモンのアジトである教会を突き止めます。


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↑デーモンというよりは………………………………


変質者が報道陣に襲いかかります。

容赦無く蹴飛ばされ射殺されてしまうんですが。


ついに人間とデーモンの直接対決!なのですが…

教会の正面から出てきては蜂の巣にされるだけのデーモンたち…

うーん…………………………………

最後にニッチェのチェブラーシカみたいに見える方みたいに見えるKONISHIKIが「デーモン、万歳!」とだけ言い残し、滅多撃ちされます。

なんのための……あぁ、もう。もう…


結局、デーモン(なんとここでサタンと呼ばれ正体がバレる)(しかし当然のように明はその場に居合わせていたのに最終局面までそのことを忘れている)である了が人間を無双しその場を収めてしまうという、なんだかなぁな展開に。

しかも了、こんな人間が許せるのか!?とか明に向かって言ってるんですよね。そう思うなら早くデーモンを助けてあげるとか、そういうことを…すればよかったのでは…と思うばかりです。


そして、この後、最終局面まで明と了は別行動になります。


まぁ…あとは悪名高いシーンが続いたり画面が赤くなったりするだけなので、調べたら出てくるシーンが多くなるかなと思います。

暴徒と化した町の人たちがデーモンとつながっているとされている牧村家の人たちを集団で撲殺したり、ミキちゃんが私は魔女と宣言した30秒後に違う…とか言い出したり(ここで画面が赤くなる)、生首にされたりミーコちゃんが「悪魔はお前たちだ!」と言ったり、暴動後に牧村家に戻った明の「ああ…あああ…あああああー!」が聞けたり。


名場面ダイジェストが続き、ついに最終局面へと差し掛ります。


生首になってしまったミキちゃんの首を持ち運び教会へ向かう明。

悲しみに打ちひしがれていると…

「人間は救う価値があったか!」と、衣装替えを済ませた了が現れます。

そして…「俺を殺せ!」と明。しかし言葉を交わすこと数十秒後「お前を殺す!」

………うん?うーん。まぁ、いい。いやもういい。

というより、最初にデーモンの姿の了を見て「お前、綺麗だな。」とか言ってたり、了がそれまでのシーンでサタンと呼ばれていたり「サタンだからなあ」と自己紹介をしたりしていたのに、まるで初耳であるかのように「最初からデーモンだったんだな」「俺を騙していたんだな」などと言っていることがとてつもなく気になる。

記憶に重大な障害でもあるのか。

その上での「お前を殺す!」ですよ。清々しいほどの白々しさ…もはや感服です。


さてさて、それらも一旦ともかくとして。

しばらく会話が続いて、明はデビルマンの姿、了はサタンの姿となり純粋な殴り合いによる決闘へと場面が移り変わります。原作を割と忠実に再現しているらしい本映像としては原作無視の(元々ない点からのさらなる)減点ポイント。


2004年の作品と考えるとそれなりに見れなくもないCGによる戦闘シーン(このシーンだけでなく、シレーヌ戦など、CGだけは映画的クオリティ)もついに決着、明と了はお互いに傷だらけになりながら人間の姿へ戻ります。


なぜか真っ二つに割れている月と真っ赤な画面の中、傷だらけどころか下半身が消し飛んだ明に了が死ぬなよみたいなことを言ったり、「笑った…明が笑った…」というこちとらもう笑うこともできんねんってな感じのセリフを放ち、この映像もほぼ終了。


最後にミーコちゃんが「生きるのよ、牧村さんとそう約束したんだから」みたいなことを言うんですけど、ここまでくるともはや言うまでもなく、もちろんそんなシーンは本編中にありません。

これでスタッフロールが流れ始めて本当の終わり、です。



いや、これでも最初の10分くらいはまぁまぁ笑いながら見ていたんですよ。

VR博士とかなかなかツボでしたし。

でも…梅干しお父さんのシーンとかあたり、あそこで笑えたらしばらく平気ですが、あそこで笑えなかったらそこから先は虚無ですよ。

笑えても笑えなくてもそのあたりから映画ではなくただの映像になっていることに変わりはないのですが。


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↑この虚無感バッチリの表情、デビルマンそのものという感じ。

かなり気に入っちゃいました。


なんと言いますか…なにも言うことがないと言いますか…

確かにポスターが良かったから2点な作品ですね。

それに決してオススメはできませんが、この作品を見れば大抵の作品に寛容になることができます。これは本当だと思います。


でも、まだ「映像作品として捉えられる範囲」ではありました。

なので、虚無とは言っていますが作品の鑑賞足り得ることはできます。


しかし、やっぱり天地がひっくり返ってもこの世界にある作品の中では駄作の部類であることは覆らないと思います…

異世界でなら超名作かもしれないですよね。前向きにいきましょう。



ではこれにて、「時々画面が赤くなる映像」と評させていただきました

実写版デビルマンについて、締めさせていただきます。


ここまで読んでくださり、ありがとうございました。